とうもろこっしー


出勤途中、自販機で缶コーンスープを買った。

5月とは思えない寒々とした空気に包まれたプラットホーム。 

しばし缶の温もりを感じた後、ゆっくりとプルタブを起こす。

途端に立ちのぼる芳醇な香りに誘われ、私はコーンスープに想いを巡らせる― 

 



 








―北海道、十勝。


果てしなく広がるトウモロコシ畑で、モロ美は産声を上げた。






1000粒の兄弟の末っ子として、モロ美は可愛がられて育った。

たくさんの兄弟の中でもモロ美は、とくに兄・モロ男を慕っていた。

仲良し兄妹は、寒い冬も、日差しで焼きトウモロコシになりそうな夏も、
片時も離れることなく身を寄せ合いながら育った。 



だが、そんな幸せな生活に突如として別れが訪れる。

出荷の時が、やってきたのだ―


 

 








モロ美 「…みんな、スープにされちゃった。 」

モロ男 「ああ…」

モロ美 「お兄ちゃん…あたし、もうこんな生活耐えられない!」 

モロ男 「モロ美…」

モロ美 「こんな暗い部屋に閉じ込められて…。故郷に戻りたいよ… 」

モロ男 「大丈夫だ…必ず戻れる。モロ美、明けない夜はないんだよ。 」

モロ美 「お兄ちゃん…。 」 




『プシュ!』 




暗闇に一筋の光が差し込む。 




モロ男 「見るんだモロ美!夜明けが…うわっ! 」 




『ゴキュッ!ゴキュッ!』 





モロ男 「まずい!飲み込まれる!モロ美ー!つかまれ! 」

モロ美 「だめ!勢いがありすぎて!きゃあ!お兄ちゃ…! 」 





モロ男 「モロ美ぃぃぃーーーーー!!! 」 











モロ男 「うう…モロ美…。いっそ俺も…連れて行ってくれ…」 










モロ美 「…にい…ちゃ…ん…」 










モロ男 「モロ美!?無事だったのか?」 











「ああ…なんとか。ただ、他の仲間は皆やられたなっしー…。 」 






モロ男 「誰だ…!?」

 



※船橋の非公式ご当地キャラ、ふなっしーも登場する
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