アナウンス室がいつもより広く感じる―
今日、平井さんがここからいなくなる。
榎並 「最後の挨拶…しに行こう。」
榎並はアナウンス室を出て、平井を探しにいくことに。
榎並 「これがほんとの『ファインディング・リオ』。なんつって…」
残念なつぶやきをかましていると…
榎並 「あ!」
平井 「(はっ!)」

『タタタッ!』

榎並 「ひ、平井さん?」
『タタタッ』

榎並に呼び止められるや否や、無言で階段を駆け上がっていく平井。
榎並 「…?」
いつもと様子が違う平井を訝しがりながらも、榎並は後を追う。
榎並 「どこ行っちゃったんだろう……あっ!」
平井 「(はっ!)」

『タタタッ!』

榎並 「ひ、平井さん!ちょっと待って下さい!」
またも榎並を避けるようにして、平井はトイレに駆け込んでいく。
榎並 「(平井さん…どうしちゃったんだ…?)」
ひとまず、アナウンス室で平井の戻りを待つことに。
榎並 「(あ、戻ってきた…)」

榎並 「平井さん!」

『タタタッ!』

榎並 「待って下さい!どうして避けるんですか!?」

平井は逃げるように会議室へ。
『ガチャン!』

榎並 「ふぅ…」
ドアの前で呼吸を整える榎並。
榎並 「平井さん…入りますよ。」
『ガチャッ』
平井 「…。」

榎並 「…平井さん。一体何があったんですか?」
平井は壁の方を向いたまま、動こうとしない。
榎並 「今日で最後なんですよね…?挨拶ぐらい…させて下さいよ。」
平井 「…。」

沈黙を貫く平井。
その肩が微かに震えている。
そして、おもむろに向き直ると…
榎並 「(えっ…!)」

つづく
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