『イタズラ電話にご用心』
昼下がりのアナウンス室。
色々な部署から電話がひっきりなしにかかってくる、慌ただしい時間帯である。
期待の新人・三田友梨佳も、最前線で電話応対に追われていた。

そんな三田の背後に忍び寄る怪しい影。あの男だ。
榎並 「おっ…三田のやつ、頑張ってるな。へへ、ちょっとイタズラしてやるか…。」
『プルルルルッ!』
三田 「(ガチャッ!)はい、アナウンス室です!わたくし新人の三田です!」

榎並 「アー、グーテンターク?」
三田 「(は!外国の方からのお電話!?しかも英語じゃない…どうしよう!)」

榎並 「グーテンターク?スミビデゴハンターク?」
三田 「え、えっと…Can you speak English or Japanese?」
榎並 「ビールデニクニルトヤワラカーイ?」
三田 「(つ、通じないー!)えっと…ええと…」
榎並 「タークタークチックターク!トキハカネナーリ!ガチャッ!」
三田 「あわわ切れちゃった!ど、どうしよう…。」

三田へのイタズラがうまくいき、満足げな表情を浮かべる榎並。
榎並 「アイツったら焦ってたなー、ははは!」
一方の三田は、ひとりプレビュールームにいた。
学生時代は野球部のマネージャーを務めあげるなど、真面目で責任感の強い三田。
先ほどの電話の一件をかなり引きずっていた。
三田 「はぁ…。電話応対もまともに出来なくて、この先やって行けるかな…。」

つづく