【褐色美女図鑑】生野陽子〜妄想編〜

『真夜中のファッションショー』 






「え〜な〜みっ!」


午前2時。アナウンス室に少女のような声がこだまする。

声の主は生野陽子だ。

入社4年目。榎並より年上なのだが、弾むような高い声と無邪気な笑顔からは、それを全く感じさせない。 


榎並 「あれ、生野さん?」

生野 「おはよ〜!」

榎並 「おはようございます。・・・ずいぶんと早い出社ですね?」

生野 「ふふ、早起きしてきちゃった! ね、ね、榎並〜、お願いがあるんだけど・・・」 





まるでおねだりをする時の子どものようにすり寄ってくる生野。 


榎並 「どうしたんですか?」

生野 「モデルさんごっこ、しよっ?」

榎並 「・・・は、はい?」 


生野の唐突な発言に戸惑う榎並。


生野 「昔からモデルさんに憧れてたの。。。お願い、付き合って〜!」

榎並 「んー、ごめんなさい。あいにく今、仕事が立て込んでいるので・・・。」

生野 「そこを何とか・・・お願い!ね、お願い〜っ!」 




勢いに押された榎並は、深く息をつき、ゆっくりと腰をあげた。


榎並 「ふぅ・・・。カメラ、持ってますか?」 


この一言に、生野の瞳がパッと輝く。


生野 「やったぁ!そうこなくっちゃ!榎並すてき〜!」

榎並 「まったく、調子いいんだから・・・。さて、じゃあ早速、ポーズとってみますか。」

生野 「はぁい、カメラマンさんっ!ふふ。」 



『パシャッ』




榎並 「んー、ちょっと普通すぎるなぁ。もっとこう、肩からかけたり…」 


カメラを手にした途端すっかりその気になり、ポーズを要求する榎並。 


生野 「こんな感じですか〜?」 



『パシャッ』





榎並 「そう!それそれ!いいよ、生野チャン!」

生野 「わ〜い、褒められちゃった!」 

榎並 「よし、じゃあ次は・・・」




―それからおよそ一時間、深夜の撮影会は続いた。 


最初は遊び感覚だった二人だが、時間が経つにつれて状況が一変する。

何かに憑かれたように、目を見開き一心不乱にシャッターを切る榎並。

一方の生野は、ファインダーを通して、大人への階段を昇りはじめていた―。 



つづく