『さえずることを忘れた小鳥・続編』
(前回5月15日付記事のつづきです)
榎並 「カンタービレ!」
石本 「・・・カンタービレ?」

マイクを手渡され、不思議がる石本。
榎並 「そうです、『カンタービレ = 歌うように』 です!
石本さん、歌を歌う時にどんなことを考えてますか?」
石本 「どんなって言われても・・・難しいなあ。
詞がすーっと頭の中に入ってきて、自然と作品の世界に感情移入してる感じ、かな? 」
榎並 「っ!それです、それですよ!」
興奮し、思わず前のめりになる榎並。
榎並 「石本さんの歌う姿、とっても素敵です。
そのスタンスで、ニュースにアプローチしてみたらどうでしょうか?」
石本 「歌うように・・・?んー、何だか分からないけど、
考えてるだけじゃ何も始まらないものね。騙されたと思ってやってみるかな!」
そうして石本は原稿を選び、歌うように読み始めた。
石本 「♪下町に初夏の訪れを告げる浅草神社の三社祭が16日、始まりました・・・」

—なめらかで流れるような旋律。聞く者に情景を思い起こさせる、完璧な内容だった。
まるでオーケストラを聞いたかのような充足感に浸る榎並。
石本も手ごたえを感じた様子で、いい表情をしている。
榎並 「石本さん・・・やりましたね!!!」
石本 「うん、なんだか掴めた気がする!ありがとう、本当にありがとう!」
気が付けば二人は手を取り合って喜び、歓喜と興奮の空気が会議室に充満していた。
—その熱気がようやく収まってきた頃、、何かを思い立った様子で石本が切り出した。
石本 「・・・あのさ、硬いニュースを読む練習もしなきゃ、だよね。付き合ってもらえる?」
榎並 「もちろん!僕で良ければ喜んで!」
石本 「ありがとう。・・・ふふ。」

意味深長な笑みを浮かべ、石本が読み始めた。
石本 「たった今入ってきたニュースです。
東京お台場のフジテレビ内で、窃盗事件が発生しました・・・」
榎並 「(うん、良い感じだ・・・)」
石本 「被害にあったのは、石本沙織アナウンサーです。
石本アナによりますと、
『犯人は短髪で長身、褐色肌の男で、まるで弾丸のように私の元に現れ、
そして彼は、大切なものを盗んでいきました。
それは、私の心です…。』
・・・とのことです。」
榎並 「・・・!」
突然の展開に、榎並は言葉を失う。
そんな榎並に追い討ちをかけるように、石本はささやきかけた。
石本 「さあ・・・どう責任とってくれるのかな、犯人さん?」

榎並 「(・・・やれやれ。こりゃあ、ややこしい事件になりそうだ。)」
おしまい
※もちろんこの話は榎並のしがない妄想である。
※ 「のだめカンタービレ 最終楽章」 大ヒット上映中。
(前回5月15日付記事のつづきです)
榎並 「カンタービレ!」
石本 「・・・カンタービレ?」

マイクを手渡され、不思議がる石本。
榎並 「そうです、『カンタービレ = 歌うように』 です!
石本さん、歌を歌う時にどんなことを考えてますか?」
石本 「どんなって言われても・・・難しいなあ。
詞がすーっと頭の中に入ってきて、自然と作品の世界に感情移入してる感じ、かな? 」
榎並 「っ!それです、それですよ!」
興奮し、思わず前のめりになる榎並。
榎並 「石本さんの歌う姿、とっても素敵です。
そのスタンスで、ニュースにアプローチしてみたらどうでしょうか?」
石本 「歌うように・・・?んー、何だか分からないけど、
考えてるだけじゃ何も始まらないものね。騙されたと思ってやってみるかな!」
そうして石本は原稿を選び、歌うように読み始めた。
石本 「♪下町に初夏の訪れを告げる浅草神社の三社祭が16日、始まりました・・・」

—なめらかで流れるような旋律。聞く者に情景を思い起こさせる、完璧な内容だった。
まるでオーケストラを聞いたかのような充足感に浸る榎並。
石本も手ごたえを感じた様子で、いい表情をしている。
榎並 「石本さん・・・やりましたね!!!」
石本 「うん、なんだか掴めた気がする!ありがとう、本当にありがとう!」
気が付けば二人は手を取り合って喜び、歓喜と興奮の空気が会議室に充満していた。
—その熱気がようやく収まってきた頃、、何かを思い立った様子で石本が切り出した。
石本 「・・・あのさ、硬いニュースを読む練習もしなきゃ、だよね。付き合ってもらえる?」
榎並 「もちろん!僕で良ければ喜んで!」
石本 「ありがとう。・・・ふふ。」

意味深長な笑みを浮かべ、石本が読み始めた。
石本 「たった今入ってきたニュースです。
東京お台場のフジテレビ内で、窃盗事件が発生しました・・・」
榎並 「(うん、良い感じだ・・・)」
石本 「被害にあったのは、石本沙織アナウンサーです。
石本アナによりますと、
『犯人は短髪で長身、褐色肌の男で、まるで弾丸のように私の元に現れ、
そして彼は、大切なものを盗んでいきました。
それは、私の心です…。』
・・・とのことです。」
榎並 「・・・!」
突然の展開に、榎並は言葉を失う。
そんな榎並に追い討ちをかけるように、石本はささやきかけた。
石本 「さあ・・・どう責任とってくれるのかな、犯人さん?」

榎並 「(・・・やれやれ。こりゃあ、ややこしい事件になりそうだ。)」
おしまい
※もちろんこの話は榎並のしがない妄想である。
※ 「のだめカンタービレ 最終楽章」 大ヒット上映中。