『妄想列車は止まらない・続編』
冷め切った夫とそれを修復しようとする一途な妻を、一人二役で見事に演じきった本田。
しかしその表情は冴えない。
本田 「もう、ダメかも・・・。」

そうつぶやき、本田はすっかりふさぎこんでしまった。
自らの妄想劇の出来に納得がいかないようだ。
自信満々で臨んだだけに、ショックもまた相当なものなのだろう。
榎並 「(今の妄想、シチュエーションは決して悪くなかった。しかし何かが足りない・・・)」
本田の妄想を分析する榎並。キザな美食家のような物言いが残念すぎる。
本田 「私、妄想向いてないのかな。。ごめん、ちょっと一人にさせてもらえる・・・?」
榎並 「本田さん・・・。」
目にうっすら光るものを浮かべる本田に、榎並はかける言葉が見つからなかった。
―それからどれだけの時間が経っただろう。
本田がそーっと榎並のデスクにやってきた。
本田 「さっきは、ごめんね。」

穏やかな顔をしている。どうやら悩みの迷路を抜け出せたようだ。
本田 「さっきの妄想の何がしっくり来なかったのか、分かったんだ。」
榎並 「良かった。。急に元気無くすから心配しましたよ。何があったんですか?」
本田 「あのね、電子レンジの使い方を間違えちゃったの。」
榎並 「へ?レンジの使い方?」
(本田のいう電子レンジとは、この↓ジェスチャーのことである)

本田 「・・・うん。電子レンジはさ、『空焚き』厳禁じゃない?」
榎並 「なんですか?”カラダキ”って?」
本田 「空焚きっていうのは、レンジの中に何も入れずにチンしちゃうことよ。」
榎並 「それが故障の元になるんですね・・・って、それ妄想劇と関係あるんですか?」
本田 「ほら、妄想だったとはいえ、私、自分自身を空焚きしちゃったじゃない?
そしたら何か悲しいっていうか、寂しくなっちゃって・・・。」
榎並 「・・・。」
本田 「まぁ・・・”朋子レンジ、『空抱き』で故障”、ってとこかな?ふふっ。」
気がつけば本田はイタズラっ子のような表情を浮かべ、榎並の様子を伺っている。
榎並 「・・・なるほど。”朋子レンジ、『中身(=相手)』募集中”、ってことですね。」
榎並は全てを察した。そしてなぜかチョイ悪風にたずねた。
榎並 「でもな、本田さんよ。おたくの目の前の男は、熱しにくく冷めやすいですぜ?」
本田 「あら、どうかしら?」
そう言って本田は例の体勢に入った―。
本田 「朋子レンジは何でもアッツアツにしちゃうんだからっ。」

二人の視線がぶつかり合い、『チンッ♪』と音を立てたー。
おしまい
※もちろんこの話はしがない榎並の妄想である。
※『妄想』を妄想しようと思ったら暴走してしまった。
冷め切った夫とそれを修復しようとする一途な妻を、一人二役で見事に演じきった本田。
しかしその表情は冴えない。
本田 「もう、ダメかも・・・。」

そうつぶやき、本田はすっかりふさぎこんでしまった。
自らの妄想劇の出来に納得がいかないようだ。
自信満々で臨んだだけに、ショックもまた相当なものなのだろう。
榎並 「(今の妄想、シチュエーションは決して悪くなかった。しかし何かが足りない・・・)」
本田の妄想を分析する榎並。キザな美食家のような物言いが残念すぎる。
本田 「私、妄想向いてないのかな。。ごめん、ちょっと一人にさせてもらえる・・・?」
榎並 「本田さん・・・。」
目にうっすら光るものを浮かべる本田に、榎並はかける言葉が見つからなかった。
―それからどれだけの時間が経っただろう。
本田がそーっと榎並のデスクにやってきた。
本田 「さっきは、ごめんね。」

穏やかな顔をしている。どうやら悩みの迷路を抜け出せたようだ。
本田 「さっきの妄想の何がしっくり来なかったのか、分かったんだ。」
榎並 「良かった。。急に元気無くすから心配しましたよ。何があったんですか?」
本田 「あのね、電子レンジの使い方を間違えちゃったの。」
榎並 「へ?レンジの使い方?」
(本田のいう電子レンジとは、この↓ジェスチャーのことである)

本田 「・・・うん。電子レンジはさ、『空焚き』厳禁じゃない?」
榎並 「なんですか?”カラダキ”って?」
本田 「空焚きっていうのは、レンジの中に何も入れずにチンしちゃうことよ。」
榎並 「それが故障の元になるんですね・・・って、それ妄想劇と関係あるんですか?」
本田 「ほら、妄想だったとはいえ、私、自分自身を空焚きしちゃったじゃない?
そしたら何か悲しいっていうか、寂しくなっちゃって・・・。」
榎並 「・・・。」
本田 「まぁ・・・”朋子レンジ、『空抱き』で故障”、ってとこかな?ふふっ。」
気がつけば本田はイタズラっ子のような表情を浮かべ、榎並の様子を伺っている。
榎並 「・・・なるほど。”朋子レンジ、『中身(=相手)』募集中”、ってことですね。」
榎並は全てを察した。そしてなぜかチョイ悪風にたずねた。
榎並 「でもな、本田さんよ。おたくの目の前の男は、熱しにくく冷めやすいですぜ?」
本田 「あら、どうかしら?」
そう言って本田は例の体勢に入った―。
本田 「朋子レンジは何でもアッツアツにしちゃうんだからっ。」

二人の視線がぶつかり合い、『チンッ♪』と音を立てたー。
おしまい
※もちろんこの話はしがない榎並の妄想である。
※『妄想』を妄想しようと思ったら暴走してしまった。