
仕事が忙しい私の母も、時間を見つけては、うちに寄ってくれる。
最近多いパターンは、
“私が夕飯を作り、母が食べに来て、2人の子供のお風呂を手伝ってもらう”
というもの。
ゴハンの時に大人の手がある有り難さはもちろん、お風呂は格別!
1人で2人入れることに慣れてはきたものの、
(バスローブ姿で行ったり来たりしながら。汗)
母がポコをみてくれているだけで、断然私がゆっくり入れる。
お風呂からあげたポコを、母があやし、寝かし付けてくれる間、
怪獣の“ごっこ遊び”にもとことん付き合える。
今夜は、いわゆる“お母さんごっこ”だった。
いつもは、ピーターパンやジャックスパロウ等、戦いものが主で、
私とお母さんごっこをするのは初めて。
「きょうわ〜すきな、くりーむこぉ〜ろっけだよ〜」
「てれびわ〜、ひとつだけでしょー!」
「おかしわ〜、ごはんぜんぶたべてから〜」
「あついから、これはさわっちゃだめよ〜」
お母さん役の怪獣から繰り出されるセリフは、ことごとく私の日常のもの。
母親のモデルが私なんだから、当然といえばそうかもしれないが、
子供をたしなめる言い回しやその表情が、
可笑しい上に、まさに自分だと思い当たる。。この辛さ。
とりあえず、深く考えずに大笑いしておいた。
最近の怪獣は、
本当に、大人の会話をよく聞いているし、それをすぐに憶える。
仲間にも入りたがる。
母と私と怪獣(ポコはオマケ)との食卓。
母も私も、怪獣の言うことに耳を傾け、こちらからも言葉をかけつつも、
つい、仕事や最近気になったこと等、大人の会話もしてしまう。
会話についていけない怪獣が、その間どうしているか気にせずに。。
その事に、今日気付いた。
「昨日のサキヨミ見た?あの女性の競艇選手と、専業主夫の。。」
「見た見た〜。ダンナさんの言葉がさぁ〜、感激したわ〜」
「エチカの脳科学おばあちゃんの質問コーナー。。」
「説得力あるよね〜お風呂では、玩具で遊ぶ暇あらへん!って(笑)」
そんな会話の途中、
「久々に見た歌舞伎でね・・・」
と、母が切り出した。
その瞬間、
「かぶとむし〜?」
急に、怪獣の声が入ってきた。
見ると、目をパチパチさせながら、母をじっと見ている。
『歌舞伎』が『カブトムシ』
母も私も大笑い。
そしてその後思った。
言葉は、まず音でつながっていく。
増えていく。
後は気持ち。
知らない言葉に、興味を持つこと。
大人の会話に入りたいと思うこと。
「なに〜?なんで〜?」ではなく、いきなり会話に参加してきた怪獣に、
そんなことを想った。
ちなみに、母によると、こんな言葉のつながり間違いも。
最近名前を教えたアジサイをさし、しばらく考えて出てきたのは〜
『ハクサイ』
だったとさ。