「じーじの深意」

「大事にとっておいた厚紙とキラキラ折り紙なのにー。」

怪獣がうなだれ、口を尖らせている。


メンコ作りがもっぱら趣味の怪獣にとって、
私がとっておいた牛乳パックや画用紙の台紙、それにオーロラやラメ入りの折り紙は、大事な材料だ。

中でも“最強メンコ”を作れるちょっとぶ厚めの厚紙と、裏がシールになっている金色の折り紙は、
余すことなく使おうと怪獣が苦心しているのを知っていた。


一方で、お兄ちゃんの影響をフルに受け、早く1年生になりたくてたまらないポコは、
いつもお兄ちゃんとパパが一緒になって作っているメンコを、羨ましそうに眺めていた。


ある朝。

怪獣が学校に行った後、プリキュアのシールを何かに貼りたい!とポコが言い出した。

「プリキュアのメンコ、作ってあげようか?」

パパの言葉に、嬉しそうに頷くポコ。



かくして、怪獣が大事にしていた例の厚紙と金色の折り紙が使われてしまったのだ。
怪獣の居ぬ間に。



・・・・・さて。


学校から帰った怪獣が、私とじーじを前に、うなだれ嘆いている。

(勝手に大事な材料使われたんだもん。そりゃ、可哀相か。。)

そう思った私が、怪獣に、
「ごめんね。折り紙は、また買ってあげるから・・・」
と、言葉をかけようとした、その時。


じーじが強い言葉で言った。


「お父さんの気持ちを考えてごらん。1年生だ。分かるだろう?」


怪獣は、黙ってじーじを見つめている。


「いつも時間がなくても、お父さんはやっ君のために、一生懸命メンコを作ってくれるだろう?」


「(怪獣)うん。」


「○○(ポコ)ちゃんにも、同じ様にしてあげたいってお父さんは思ったんだよ。分かるか?」


「(怪獣)うん。」


「じゃあ、お兄ちゃんとして、どうしたらいいと思う?」


「(怪獣)・・・」





日々怪獣と接しているじーじは、そろそろ怪獣に“譲る気持ち”について話したいと思っていたらしい。


「自分のことばかり考えるんじゃなくて、妹のために譲ってあげられるようにならなくちゃ。
お兄ちゃんだろう?1年生だろう?」



男同士、世代を超えて、しばらく、じっくり話していた。





じーじの話に納得した怪獣は、
「またパパに最強メンコ作ってもらおーっと!」
と、笑顔を見せた。




まぁ。その後すぐ、私に向き直り、

「でも、キラキラ折り紙は、また買ってよー!!」

と言い放ってましたがね。



やれやれ。