ダイアログ・イン・ザ・ダーク

先日、前々から行きたかったソーシャル・エンタテインメントに行ってきました。

ダイアログ・イン・ザ・ダーク。
真っ暗闇の中で生まれる対話。

子どもの頃、初めてのキャンプの夜や、修学旅行の就寝後、
妙な高揚感がありましたよね。
まさにあれです。

それを、星明かりも、薄明かりもない、本当に真っ暗闇、視覚情報が微塵もない状態で物語は始まっていくのです。

8人1組。

わたしは、ほとんどはじめましてのみなさまと、誰が誰やらわからぬまま、ひとまず、ニックネームだけは覚えて中に入りました。

アテンドしてくれるのは、視覚障がい者の方。
そりゃぁドキドキしますよ。
不安と緊張で、こわい。
これからどうなるんだろう。
ちょっと逃げたくなる。

それが、一歩踏み入れると、あっという間に世界は逆転。アテンドの彼らは水を得た魚のように、縦横無尽にナビゲートしてくれます。

暗闇に包まれた途端、不思議な解放感に満たされました。

だって、何も見えないんだもの。

おおーだの、わぉーだの、あー、これ、葉っぱ!だの、すでにオトナすぎるオトナ年齢のわたしたちが、はしゃいでいる。

慣れてくると、普段使っていない感覚が開かれていくのがわかります。

人の声、
体温、
人と人との距離も、
知らない人同士でもちょっと触れ合ってるくらいが心地いい。
お互い助け合えると信じている。
年齢も、性別も、美醜も、しゃべる表情も、相手がとってる態度も、目で見えることからは解放される。

普段、声に出して確認し合わないことを、たくさん声にする。
自然とありがとうが多くなる。

誰が誰であってもいい。
個人の輪郭は溶け合ってるのに、でも強烈に個々の個性が際立つ。


笑わせたいひと、
リーダーシップとりたいひと、
そばにいてくれるだけで安心なひと、
ハラハラさせるひと、
急に方言で話し始めるひと、
声だけでも
饒舌で、カラフルな世界。


暗闇空間で、いろいろな催しを楽しんで出てきたら、(←何が行われるかはぜひ体験してみてくださいね)

えー、あなたが、けんちゃん、
あなたがぴーさん!?

急に照れ臭く・・・。

顔が見えることで、見えない壁ができていくとでもいいましょうか。

お互い、初めて会う社会人同士に戻っていく。
でも、また集まっても、お互い得難い経験をした者同士、
普段とは違う距離感が生まれそうです。

わたしの亡き祖母は、大人になってから全盲になったと聞きます。
久しぶりに会っても、あら、大きくなったわね、
6人の孫を足音で聞き分けていました。

いつも目をつぶっていて、時々開けると、瞳が緑がかった青のようだったのを覚えています。

暗闇の中で、誰かが、
目を開けるの、疲れるね。
真っ暗だと、ずっとつぶっていたくなると言いました。
確かに、そうなのです。
行けど行けど暗闇で、目が疲れる。

思い切って、
つぶって歩いてみると、
どんどん感覚が開く。

耳。手。匂い。足先までも。

つぶって感じる。

普段のわたしとは違う世界の捉え方は、ヒトって、まだまだ使っていない感覚があるぞ、
未知なる豊かさが眠っていた山に出会ったというのか、知らないのはもったいないと、そんな気持ちになりました。

身体を動したい、でも、動かしてない、そんな状況が続いています。
スリムになるためのDVDはたくさん家にもあるのにね。
たぶん、わたしの身体を動かしたい欲求の根源にあるのは、身体の感覚を鋭敏にして、閉じた何かを拓いていきたいのかもしれません。

ええと、ダイエットももちろんですけどね。笑

歩くときに、考えごとばかりせずに、落ち葉を踏むとか、
今、ここを楽しんでみようかしら。

長文に付き合ってくださり、ありがとうございました。