金曜日、突然上野駅で雨に降られて、
その後動物園を周る予定だったわたしは、
傘を買うことを余儀なくされた。
出先で傘を買うのは、あまりすきじゃない。
少々のことなら、走ればいいし、少しくらい濡れるのはしかたない。
なんとなく、間に合わせのモノが増えるのは、勿体無い気がするからだ。
しかし、その日は動物園、だった。
えぇい、せっかくなら、と折りたたみの晴雨兼用の、すばらしく軽量なものを買うことにした。
生まれてこのかた、
日傘をさしたことがない。
自慢にもならない。
理由は、折りたたみであっても、持ち運びが重い、いちいち畳むのが面倒、
いわんや長い日傘をや、
なにゆえ荷物を増やすのだ、
てな具合だ。
しかし。
晴雨兼用は、その日にかぎって、なぜか手にした瞬間、ワクワクした。
いつのまに、こんなに軽くなってたのよ、あなた。
結果、雨はあっという間にあがり、当日には出番はなかったものの、
すっかりその折りたたみは傘は、わたしのカバンに居場所を見つけて居座った。
翌日。
さんさんとした日差しのなか、
さしてみた。
えぇぇぇ?
こんなにも??
日差し、全く痛くないやんかぁ !!!
太陽、まぶしくないやんかぁ!!
あのとき、一文を読んでいれば。
あのとき、一言、目をみて話ができていれば。
確認さえすれば。
やってしまった悔いより、やらない悔いのほうが、心を圧倒的に支配するけれど、
わたしにとっては、日傘は、間違いなくそのひとつだ。
まだ、きっとある。
張らなくていい意地を、
張り続けてる、なにかが。
そして、なぜ日傘でここまで大げさなのか。
誰とも共有できないと思うけれど、日傘をさすのは、わたしにとって、それくらい、大転換な出来事なのでした。笑