セツナイきもち。

東京に住んでいると、
街の風景の新陳代謝はとても早くて、

新しく開店した店が馴染む前に、
もう、以前に何があったかすら忘れてしまうのを、時々セツナク感じることがあります。


先日、何かと家族で写真を撮ってもらっていた古い写真館に立ち寄ったら、82年続いたこの店も、8月いっぱいで閉めます、とのこと。

唐突に聞いて、えぇっとたまらない気持に。

先代のカメラマンもお店にいらして、もう、もちろんご高齢なのだけれど、福々しい顔で息子に話しかけてくださった。

この写真、みてごらん。
わたしがボクくらいの頃だよ、と。

大きなタライで手で洗濯する姿。
電車を校舎がわりに勉強する戦時中の姿。

息子の心に、何がどう響いたか、
訳が分からなかったのかはわかりませんが、普段は、「これなに?」「どういうこと?」と興味津々な息子も、言葉少なでした。

もっともっとその場にいたかったな。

その古い写真館の跡がどうなるかは聞かなかったのですが、
通るたびに、きっと思い出すだろうな。

飾られていた昭和史そのもののような佇まいや、数々の家族写真を。

場所や風景の記憶も、やはり、関わりなのだと思います。